監視、検挙、処罰など犯罪に対応する法律的措置は、一旦犯罪による被害が発生したという根本的な問題を解決することはできません。
そもそも犯罪が発生しないよう事前に防ぐことが大切です。
有識者らは犯罪を予防する方法のうち、「環境と雰囲気」』の重要性を優先的に挙げます。
これらを如実に示す事例があります。
ひっそりとした路地に色とデザインが同じ車二台が駐車されています。
そのうち1台はただ窓ガラスが割れているだけです。
[環境と犯罪予防の関連性を立証した割れた窓ガラス理論]
しかし、1週間後、その差は明らかです。
正常な車は誰も手をつけていませんが、窓ガラス一つが割れた車はドアとすべての窓ガラスが破損し、オーディオや主要部品がなくなり、室内には汚物がいっぱいでした。
これはアメリカのニューヨークで実際にあった実験で、割れた窓ガラス理論で有名になりました。
犯罪予防都市づくりプロジェクト
大田市が推進している犯罪予防都市環境づくりプロジェクトである「都心に帰ってきた灯台」
今年は東区紫陽洞と中区牧洞を明るく変えます。
「都心に帰ってきた灯台」事業は、大田市が犯罪から安全な都市環境を作るために犯罪予防環境設計(CPTED、Crime Prevention Through Environmental Design)を適用して毎年実施しています。
[犯罪予防都市づくりのCPTED活動]
今年の対象地は、昨年2月に自治区から申請を受けた中から、専門家による審査と現場確認を経て選ばれました。
東区紫陽洞は、又松大学一帯が狭い路地で老朽化した建物と駐車場、建物の間の狭い空間や死角地帯が多く、歩行中の不安感が高いことが調査の結果で分かりました。
中区牧洞は牧中路70番路の敬老堂一帯の老朽住宅地帯を犯罪分析予測システム地理的プロファイリング(GeoPros)で分析した結果、照度など生活犯罪発生の憂慮が高いことが分かりました。
これを受け、大田市は今月中に実施設計を開始し、8月までに犯罪予防都市環境デザインを適用して事業を完成する方針です。
[新灘津十字路の陸橋に適用されたCPTED]
安心村に5つ事業支援
大田市は村の安全の危険要素を住民が自ら探し出して解決する「安心村づくり事業」を推進しています。
事業対象地は東区龍田洞、中区石橋洞、西区内洞、大徳区懐徳洞と法1洞の5ヶ所です。
ここでは、照度改善やセキュリティライトの設置など、安全脆弱環境改善事業が進められています。
各村の事業を見ると、東区龍田洞の大田文学館と懐徳洞の陸橋、操車場駅の線路一帯に夜間歩行安全のための照明が設置されます。
[安心照明が設置される予定の壊徳洞の陸橋]
中区石橋洞は暗い路地のセキュリティライトの設置と火災脆弱世帯に消火器や火災警報器の支援も並行します。
また、西区内洞は児童保護区域の安全フェンスの改善、犯罪脆弱地域のセキュリティライトの整備及び太陽光センサーなどが設置されます。
詳細は大田市都市景観課(042-270-6432)、または安全政策課(042-270-4942)までお問い合わせください。